#02 大正区三軒家西 B様の事例(2010年1月〜9月) かねてより存じ上げていました、デイサービスセンターのB様です。 「住まいの気がかり相談」のパンフレット箱をセンター内に設置していただいています。 入浴サービスのため、施設内に浴室も完備されています。タイル張りの広くてきれいな浴室ですが、数年で水漏れがし始めたとのこと。この際、ユニットバスにしようというお話でした。 また、利用者への一層のサービスと職員の負担軽減のため、入浴用リフトの導入も検討されていました。 P社製施設向けユニットバス、電気式・水圧式リフトなどをご提案し、T社製リフト付きユニットバスをご採用していただきました。 施設向けユニットバスは、2方向・3方向からの介助が可能ということが大きな特徴ですが、B様では、そこまでの必要性がないということでした。 T社製リフト付きユニットバスご採用の決め手は、機能性とデザイン性、そして、ユニットバスと入用用リフトが同一メーカーという点です。 ご採用にあたっては、ショールームへオーナー様とスタッフの皆様も出向かれ、製品をご覧になり、リフトへも実際に試乗していただきました。 従来の浴室よりもユニットバスにした関係で、少しスペースが狭くなり、洗い場での寝洗いができないという問題がありました。しかし、リフトの座席がしっかりしているため、これなら座ったままでの体洗いが可能という結論になりました。 在来工法(従来の浴室)とユニットバスには、それぞれ長所・短所があります。 在来工法はご希望のサイズで比較的自由に設計できます。ユニットバスのサイズはバリエーションに富んでいますが、それでもある程度限定されます。 水漏れや暖かさについては、ユニットバスの方が優れているでしょう。 浴室の改修と平行して、事務スペースの間仕切り壁の検討も行ないました。 比較的自由なスペースにするため、可動式の間仕切り工法を採用していただきました。 腰高から上は明るさを保つため、採光性のあるパネルにしました。 工期は8月下旬から9月上旬でした。 工事期間中は騒音や断水など、利用者の皆様やスタッフの方々にはご辛抱やご配慮をいただきました。工務店さんも万全の仮囲いを施すなど、できるだけ、施工箇所とサービス利用スペースの分離を図っていただきました。 関係するすべての人の配慮によって、事故もなく無事完成しました。 間仕切り壁の箇所では、床に敷居レールを埋め込むことができないため、段差が生じます。車いす利用に支障をきたすため、1箇所はスロープ式、もう1箇所は脱着式の敷居になりました。スロープの緩やかなアール形状に、工務店さんの細やかな心配りが感じられます。 浴室の方は、実際に導入して入浴サービスを開始してみると、何点か不備が見つかりました。 1点は、入浴用リフトです。このリフトは電動式で壁伝いに上下レールが付いていて、そこをリフトが移動します。座席に座ったままでの体洗いを想定していましたが、洗い場センターの箇所にはストッパーがなく、安定性に懸念がありました。メーカーによると、リフトは入浴を想定しているので、入り口の箇所と浴槽内の2箇所しかストッパーが無いとのこと。 工務店さんのアイデアで、電気系統に関係のない下レールに穴を開け、フランス落とし式にして洗い場でも固定できるようにしていただきました。 もうひとつは手すりです。浴槽側の壁には立ち上がりと姿勢保持のため、L字型と縦手すりを設置しましたが、洗い場側の壁や脱衣場3方の壁には取り付けていませんでした。一般家庭での使用と異なり、入浴サービスには複数の利用者がおられます。利用者の方の身体状況により、手すりの必要な箇所が増えることは考えられることです。 福祉住環境コーディネーターとしては、修行が足りないことを実感しました。これから実践でもっと勉強が必要と痛感しました。 ←ご相談事例の目次 △ページの先頭